夜釣り

韓ドラマイスター活動記

韓ドラにおける新たなヒーロー像と推しの死/사랑의 불시착(愛の不時着)感想


あらすじ

パラグライダーの事故で北朝鮮に不時着してしまった韓国の財閥令嬢ユン・セリ。そこで北朝鮮の軍人リ・ジョンヒョクと出会い、身分を隠して暮らすことになるが...。

出演:ヒョンビンソン・イェジン、ソ・ジヘ、キム・ジョンヒョン

原作、脚本:イ・ジョンヒョ、パク・ジウン

 

評価

ストーリー ★3.5(前半は4)

映像 ★5

衣装 ★5

ロマンス ★5

ク・スンジュン ★10

 

感想

・見ようと思った経緯は忘れた...。普段韓ドラを見るときに評判をあんま見ないので見始めてからすごく流行ってるのを知った。英題の「Crash Landing on You」がなんだかとても好きだ。

 

・「北朝鮮に不時着」というストーリーが新しく、また「軍人」が大好きな某(それがし)が好きじゃないわけがない。北朝鮮文化が新鮮ですごく楽しく見られた。

 

・特にセリが北朝鮮にいた前半がすごく好きだった。不便しているだろうセリを自分なりに気づかってシャンプーや化粧水を買ってきてくれるリ・ジョンヒョク。セリのために叔父さんの車をかっ飛ばすリ・ジョンヒョク。セリを迎えにいくすがらアロマキャンドルを灯すリ・ジョンヒョク...。ヒョンビンの有効活用。あたい、無表情の男が動揺する姿が3度の飯より好き。リ・ジョンヒョク、好きな男だしいつか自分だけのリ・ジョンヒョクに出会いたい(??)前半はもう一度見返したいなと思う。

 

・決してライトではないけど、展開が重くなるたびにリ・ジョンヒョクの部下の隊員たちとか北朝鮮のおばさまたちが出てきて相殺してくる。愛おしい。

あとセリの母親が好きだった。子供を愛せない母親が性癖なもので...。使い方がちょっと消化不良だったけど、セリの理解者となれてよかった。


北朝鮮BTSのジョングクペンがいたのが一番面白かった。爆笑した。ライブ行けるといいね。オタクは国境を越える。

「SN」「JYB」「YJ」とかいうどっかで聞いたことのあるような事務所にスカウトされていたグァンボム演じるリ・シンヤングはこれから爆売れすると思います。あたしの占いは当たるんだ。

 

・大好きなIUちゃんが挿入歌を担当していて嬉しかった。

Give You My Heart

Give You My Heart

すごくいい曲。

先日NCTのドヨンがカバーしたのだけど、これを応援しているアイドルがこの曲を自ら選んでファンに向けて歌うのはとてもしんどいものがあるので該当者を心配した。

www.youtube.com

「あなたに差し上げるものがないので私の心を差し上げます」から始まるんだよ!?このご時世にね...。

アイドルを応援するということについて考えさせられる。(そうかな)

 

・映像がすごく好きだった。

トッケビ以降あたりから映像の撮り方が変わってきてるなという印象があったんだけど、本作はそれが特に顕著だった。必要以上に修正をしない、素材を生かすっていうイメージがある。映像がちょっと暗めなんだよね。見やすくてよいです。ロマンティックな絵が多くて胸がいっぱいになった。キャンドルのシーンが好き。

 

・衣装がめちゃくちゃいい。セリとダン、それぞれのヒロインの役者の骨格にあった一番似合う服が用意されている。男性陣もよかったよね。まあ、リ・ジョンヒョクの軍服が至高なんですが...。セリの衣装を見てて「星から来たあなた」のソンイを思い出した。あれも衣装がよかった。セリが平壌でパスポート用の写真を撮りに行くときのコートがめちゃくちゃかわいかったけどMIUMIUだった。ふざけるのも大概にしろ。

 

推しが死ぬ

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いつも一緒にいたかった

 

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となりで笑ってたかった

 ク・スンジュンのこと最初、横から見たら見たらブスだけど正面から見たらかわいいじゃんとか言ってた。当初2番手だとも思ってなかったけど、いつだったか特別な人になってたよね。ダンが泥酔してるところで、「悪態をつくな、俺のタイプだ。ときめくからーー...もう飲むな」って言ってたよね。あの時にはもうスンジュンのこと推してたのかもしれない。心を入れ替えて真面目に生きて、いつかダンを迎えに行くって言ってたよね。絶対幸せになってねって思ったよ。そんでさ、

 

そんで....................

 

死んだじゃん.................................

 

マジで意味がわかってない。見終わって一週間くらいたつけどいまだに心の整理ついてない。

死ぬキャラじゃねえだろ。死ぬ役じゃねえんだよ..........。

スンジュンの父の会社は過去にセリの父親によって倒産に追い込まれ、復讐のためにセリやセリのバカ兄弟に近づく。結果、セリの兄に詐欺を行い北朝鮮に身を隠す。そこでやっと自分を案じてくれる人に出会ったのにさ

 

死んだじゃん......................................................

 

愛するダンを守って(このシーンはガチでかっこいい。最高だった。輝いてたよ推し)彼女が泣いてくれる姿を見ながら亡くなる。直前に孤児が歌う歌の内容とリンクして、ものごっつ悲しい。でも死に際の笑顔がさ、幸せそうで...。幸せだったね。そうだね。

 

韓ドラはいつも財閥がクソだということを教えてくれる

 

◆韓ドラで学ぶ韓国語◆

아이 씨(アイシ) 意味:クソッ

たぶんめっちゃ汚い罵り言葉だから韓国で使わずに日本で嫌いな上司に使おう!

 

わたしはなかなか推しが死なない女なので耐性がなく、スンジュンが死んでショックで混乱した。その夜、ダンがロシアの駅前でボルシチを売るスンジュンに再会する夢を見た。これが正史です。

 

 

好きだったセリフ

「アフリカにも南極にも行けるときに、よりにもよってあなたはここにいるのね」

「愛とは何か考えてみた。私があなたに会いたいと願っているようにあなたにも願ってほしいと思ったなら、それが愛だろうか。あるいは私に会いたいなんて気持ちがわかないほど幸せでいてほしいと願ったなら、それが愛だろうか」

 

総括

リ・ジョンヒョクがポスト#MeToo時代のヒーロー像だと言われる記事があり*1、ここ最近見たドラマを振り返って考えたけれど確実にその波はあるなと思った。パッと思いつくので「ホテルデルーナ」のク・チャンソン、「絶対彼氏。」のヨング(奇しくも両方ヨ・ジングが演じている)など。未婚率が急上昇する韓国で、求められるヒーロー像、男性像の変化が起きているのかもしれない。

国を跨いだ2組のカップルの対比がよかったな。新しい試みに挑戦しつつしっかり韓ドラ構文を押さえてて見応えがあった。ダンがたくましく生きていけることを願っている。

OSTがすごく良いので勉強する時に聴いてるんだけど推し死んだな...って気持ちに支配されるからもうやめようと思う。

ク・スンジュンが死ぬ以外はとても好きでした。

 

僕はついていけるだろうか 推しのいない世界のスピードに

 

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*1:ク・スンジュンもここに当てはまるので言及してほしかった!!本当に残念